GigaStudio – GigaTeleport検証

GigaTeleport以前のブログ「ソフトシンセでPC一台完結は可能?」に登場したFX-MAX、今回はGigaStudio用のワンパッケージ物「GigaTeleport」を実際に検証してみました。

はたして常用に耐える物なのか?
これが成功するとオーディオカードとMIDIインターフェイスが無くてもGigaStudio専用PCが作れる事になるのです。
5/30に書いたmixi日記へ大幅加筆。

  • GigaTeleportホスト側PC(WinXP+CubaseSX+MOTU828)
  • GigaTeleportサーバ側PC(GigaStudio)A
  • GigaTeleportサーバ側PC(GigaStudio)B

3台のPCをLAN(100BASE Ethernet)で繋ぎGigaTeleportの有効性を検証。
その顛末はいかに…

検証その1 まずはテスト機で検証

常用しているGigaStudio専用PCが調子悪くなったら泣けるので、余っていたPCにて検証する事に。

余ってたPCのスペック
※GigaTeleportサーバ側PC(GigaStudio)Aとなります。
GigaTeleportサーバ側PC(GigaStudio)A

  • OS : Win2000(SP4)
  • CPU : PIII 1G
  • メモリ : 512RAM(しょぼいバルク256×2枚)
  • VGA : GeForce2
  • マザボ : 型番不明
    ※インテル815チップセットが乗っかってましたので、安定性は抜群なハズ。
  • オーディオカード、MIDIインターフェイス無し
  • OS入れたまんまで音楽用チューンナップ一切無し
  • HDはパーティションでOSとライブラリ用に分離

という劣悪な環境に、放置していたオーディオカードのバンドル版GigaStudio(v2.45)とGiga Teleportをインストール。このPCがGigaTeleportサーバ側PC(GigaStudio)Aとなります。

で、CubaseSXの入ったメインPCにもGigaTeleportをインストール。
こちらがGigaTeleportホスト側PC(CubaseSX)となります。
GigaTeleportホスト側PC(CubaseSX)

起動の手順

  • サーバ側PC(GigaStudio)でGigaTeleportを起動後、GigaStudioを立ち上げる。
  • ホスト側PCのCubaseSXを立ち上げ、VSTインストゥルメントウィンドウでGigaTeleportを選ぶ。

結果、GigaTeleportデフォルトのバッファ512・レイテンシー11msでサクサク演奏可能!
GigaTeleportホスト側PC(CubaseSX)でのフリーズもちゃんと機能します。

といっても今回インストールしているGigaStudioはバンドルのライト版、40ボイス程度の発音が出来たくらいで喜ぶ訳にもいきません。
インストール後、特に問題は無いようでしたので常用GigaStudio専用PCへのインストールを決意。
GigaStudio2.54本来の最大発音数である160ボイスを試す事に…

検証その2 常用GigaStudio専用PCで検証

常用GigaStudio専用PCのスペック
※GigaTeleportサーバ側PC(GigaStudio)Bとなります。
GigaTeleportサーバ側PC(GigaStudio)B

  • OS : Win2000(SP4)
  • CPU : Celeron 1.4G
  • メモリ : 512RAM(グリーンハウス256×2枚)
  • VGA : GeForce4MX
  • マザボ : 440BX(GigaStudio2では定番中の定番!)
  • AUDIO/MIDI : M-Audio Audiophile2496(今回は使いません)
  • 音楽用チューンナップはCDドライブのオート再生OFFのみ
    HDはOS用に60G×1台
    ライブラリ用に120G×2台
    ※パーティション切りは無し

このPCにGigaTeleportをインストール。
これで2つ目のGigaTeleportサーバ側PC(GigaStudio)Bが完成。

GigaTeleport画面の「dropouts」表示結果は…
バッファ512・レイテンシー11ms、50ボイス以上で残念ながらドロップアウトが頻発!
プチノイズが載るという感じでは無く、瞬間的にレイテンシーが大きくなるという症状です。
レイテンシーを2倍にすればある程度回避は可能ですが、これでは楽器として演奏出来ない。
この現象は数字でも見る事ができます。ホスト・サーバ双方に表示されるGigaTeleport画面の「dropouts」表示がそれです。

きっと転送が追いつかなくなる時があるんですね。
MMORPG等のネットゲームで言う「ラグい」状態と同等の症状かな。

GigaTeleportプロトコルの仕様を予測してみたんですが、MIXされたオーディオが転送されているのでは無く、1ボイスづつ個別に処理・転送されている感じがします。
改良が可能なら…GigaStudio内部でステレオ2MIX(もしくはステレオ4本とか)にまとめた後、LANで転送すれば解決出来るんじゃないでしょうか?
ステレオ2MIX分のパケット帯域を最初から占有するって感じで…
ソフトのバージョンアップに期待ですね。

まとめ

【オススメポイント】
1楽器専用など、40ボイス程度を手軽に鳴らすには最適。
ホスト(Cubase)でフリーズ機能が使える。

【問題点】
MAX160ボイスを使用するようなGigaStudioメインでの作曲には向きません。
仕様上LANの転送にも揺れがある為、40ボイス以上でドロップアウトが多発します。
扱いはあくまでVSTインストゥルメントなので、エフェクト処理や、波形レベルの編集をするには何らかの方法で一旦オーディオとして取り込まないといけません。
ホスト(Cubase)でフリーズ機能が使えますが、他VSTインストゥルメントのように多重起動出来ないので、ドロップアウトの回避策としての使い道にしかならないようです。

【私的な結論】
オーディオカードの方がGigaStudio本来の性能をフルに引き出せて楽。
このテストの後Audiophile2496での使用に戻したんですが、やっぱり安定して160ボイス出るってのは最高ですよ!

Audiophile2496はGigaStudioに最適なんだと再認識した次第。
MIDIインターフェイス付で実売1万3千円程度ですもん。費用対効果高すぎ!

でもこういった安いインターフェイスだとアナログ出しの音はイマイチなのでデジミキのS/PDIF INに繋ぐのが必須。
デジタル出しなら高級なオーディオインターフェイスと同等な訳ですし、実際音が超猛烈に良くなります。

しかし、もう一台GigaStudio+Audiophile2496のセットを増やすとなるとワードクロックの取り回しが大変な事に(^^;
アナログ出しするならもっと高級なオーディオインターフェイス用意しないとだし…どうしようかなぁ

リンク
M-Audio Audiophile2496 レビュー