前回エントリで今更知ったSyncrosoft社製USBキーの互換性。
ひょっとしてWAVES(ver4.0以降はPace社iLokに対応)以外は全部まとめられるのではないでしょうか?
USBキーが煩わしいという方もいらっしゃるでしょうが、OSの入れ替えやノートPCで外部へ持ち出し等を考えると1本で済むならむしろこちら方が楽かなとも思ってしまいます。NIのアクティベーションみたいにレスポンスコード発行の方が面倒に思えてしまう…
不思議な例としてはAmpliTube2、最近のアップデータで何故かUSBキーが必要無くなりました。プロテクト全く無しというのは無理でしょうが、こんな方法もなかなかよろしいかと。
さて、USBキーを1つに統合出来るのならバンバン買っても(買えないけど)問題無いじゃないか! と思い色々調べていました。
で、前々から気になっていたのが”ARTURIA Prophet V”です。
これ、USBキーにDEMO用ライセンスをダウンロード出来るんですね。
- ARTURIA Prophet V 体験版・解説はこちら
http://www.idecs.co.jp/musicsoftware/prophetv/demo.php
早速この体験版で遊ばせてもらいました。
ARTURIA Prophet V
TAE技術を使用した折り返しノイズの少ないオシレーター波形、正確に再現されたフィルターカーブと相まって大変ファットで艶のある色っぽい音です。
オシレーターシンクもアノ音がブリブリ出ますね。
しかし、ARTURIA製ソフトシンセはオシレーターだけ聴くとどれも似た傾向を感じてしまいます…良い意味で。このProphet Vも同様な感覚を持ちました。
ARTURIAがシミュレーションした元シンセの中で、最も太いだろうと思われるmoogmodular Vがあれば他に代用が効くような気がしてしまう…(^^;
まあ、本物のアナログシンセも並べれば音圧以外はそれほど違いない音色のオンパレードな訳ですしね。
2in1が嬉しいProphetVSモード
他社のProphetシミュレーションソフトと違う所がこのProphetVSモードの搭載でしょう。
Prophet5モードとProphetVSモード、更にハイブリッド(5+VS)モードが用意され、1つで2度美味しいお得なソフトシンセになっています。ARTURIAがPCM波形を搭載するシンセをシミュレートしたのはこれが初になりますね。
オリジナルのSequential Circuits Prophet5、そしてProphetVSは、最近Evolverというベクターアナログシンセが好調なDave Smith氏による物であるというのは皆さんご存知の通りでしょう。
Dave氏が携わったハードシンセはこれだけではありません。
KORG WAVESTATION (1990年)、YAMAHA SY22/SY33 (1990年)等、ベクターシンセシスを搭載したシンセにも関わっています。
WAVESTATION SRのパンフレットにはコメントも掲載されていたりと、これも有名ですよね。
ProphetVSモードで作られたパッチをザックリ聴いてビックリ、WAVESTATIONまんまの音が盛りだくさんではないですか!
実機のVSを触った事が無かったので今迄気付けなかった訳ですが、WAVESTATIONに搭載された一部波形ってProphetVSと同じ(ような)物が収録されていたんですね。
当時既にWAVESTATIONがProphetVSを正統に引き継いでいたとは…しかもWAVESTATIONはベクターだけでなく、PPGに近い波形のアニメーションであるウェーブシーケンスまでも搭載していたんです。
WAVESTATION ver1.6
Native InstrumentsのPro53、KORG DIGITAL EDITIONのWAVESTATIONがあればProphet Vが無くても良いのか?
これはYESでもあり、NOでもありました。
ハードの元祖WAVESTATIONシリーズにはフィルター・レゾナンスがありませんでした。レゾナンス効果を得るには波形そのものにレゾナンスが含まれる物、またはウェーブシーケンスで波形がスイープするアニメーションを作り出すか、内蔵エフェクトに用意されたレゾナンス効果を使用する方法しかありませんでした。
現在、ソフトとなって復活したKORG DIGITAL EDITIONに収録されているWAVESTATIONでは、最新アップデートのver1.6でフィルターモジュールにレゾナンス機能が搭載されました。
これに伴いバンクも1つ追加され、フィルター・レゾナンス機能を効果的に使った新規音色(パフォーマンス50 種、パッチ35 種、ウェーブ・シーケンス32 種)も追加されています。(ver1.6はユーザーエリアでダウンロード可能)
強力なフィルターが搭載されたWAVESTATION ver1.6で、Prophet VSとの決定的な差は無くなりました。ポルタメント(グライド)こそ搭載してはいませんが、ウェーブシーケンスを備えるWAVESTATIONの方が幅広い音作りを楽しめる事は言うまでもありません。
しかし、それでもProphet VにはWAVESTATIONでは到達出来ない温かみがあります。これは前述したTAEによる所でしょう。
WAVESTATION v1.5以降の一部波形は01/Wと同じ
WAVESTATION-SRユーザーの方ならご存知でしょう。
v1.5以降(含1.6)の一部波形は01/Wと同じ物なんです。
v1.5で新たに標準装備されたオプションROMカードが下記になります。
- WSC-1S PIANO
- WSC-2S DRUMS & PERCUSSION
- WSC-3S SYNTH & TIME SLICE
- PSC-1S DANCE
- PSC-2S SYNTH DESIGN
- PSC-3S ETHNIC
上記WSCシリーズは2枚組(波形CARD+音色カード)で初代WAVESTATION・EX・A/D用の物。
そしてPSCシリーズはWAVESTATION-SR専用で、同じく2枚組(波形CARD+音色カード)なんですが、この波形CARDが01/Wと共通の物なのです。
実際、私も01/W用に購入したETHNICカードをSRに刺していた時期がありました。その場合当然音色カードは01/W用のしか無かったので音色は1から作らないとダメでしたが…
既にソフトシンセとして、01/W用波形再生アルゴリズムは完成しているって事ですすかね? 変換して搭載している可能性もありますけど。
ウェーブシェイピングを搭載してくれればソフト01/Wがすぐそこまで…出るのかは微妙でしょうけど。
ARTURIA Prophet Vは買いか?
色々としょーもない事を書いてきましたが、結局ARTURIA Prophet Vは必要か否か。うーん、私の場合は今すぐにはいらないかなと(^^;
YMO等に思い入れのある方はこのルックスだけでもテンションを上げてくれる効果もあるでしょうし、何より他のProphetシミュレーションソフトシンセとは異なる暖かさがそこにあります。
Prophet系ソフトシンセとして最初の1つになるのでしたらARTURIA Prophet Vが一番かな。
既にNative Instruments Pro53等を所有している方や、Prophetに思い入れが少ない方は奇抜な音まで守備範囲の広いWAVESTATIONを猛烈にオススメします。
ARTURIA Prophet V
http://www.idecs.co.jp/musicsoftware/prophetv/index.php
Native Instruments Pro53
http://www.midia.co.jp/products/ni/synth_line/pro53/pro53.html
KORG Legacy Collection – DIGITAL EDITION
http://www.korg.co.jp/Product/Synthesizer/LegacyCollection/
PSP Vintage Warmer
http://www.hookup.co.jp/software/psp/
はじめまして、こんばんは。
WAVESTATION SRを持っているんですが、カードはこの3種類(PSCシリーズ)なんでしょうか?
上のDSCシリーズは、SRに収録されているのでしょうか?